「私たち」という考え方

時代が進むたびに個性に対する許容量というか、受け入れ力が大きくなってきている気がします。
みなさんはご自身の「個」をどう表現されていますか?

私自身も個性を表現するのが好きな方ですから、ファッションで楽しんでいます。

私のサロンは1999年11月の創業当時から、流行を追うのではなくお客様のライフスタイル、個にフォーカスしてサービスを提供しています。そう言う意味でも個を大切にしていると言っても過言ではないと思います。

少し時間を遡った話をしましょうか。30代から40代くらいの頃の私の話。

その頃はね、自分らしくいくることがみんなにとっての貢献だと思っていたんですよ。
アーティストという自分を磨くことに集中していくことでみんなのためになる、と。
日々練習と勉強の繰り返し。寝ても覚めても美容師としての腕を磨くことを考えていました。

それはそれで、楽しくてね。

いつも課題が見つかり、それを乗り越えていく。頑張れば頑張るほど結果が出ていく。一種の悦みたいなスパイラルにはいっていて少し息苦しさを感じながらも、気持ちがいい。そんな時代を過ごしていました。

その考えがね、ある時をきっかけに変わっていったんですよ。大切な人との関わり合いの中でね。

自分の価値観を疑うと言うか、あれ?そうじゃないのかな?と思うことって、ある意味足元が揺らぐと言うか、不安定になるわけですよ。僕も多分に漏れず、そう言う経験をしました。けれど、苦しいことや不安なことから逃げるわけにはいかないから、そこと向き合って考えてみる。

自分のテーマってなんだろう。

何を大切に生きていくのかな。

誰のために頑張っていくのかな、と。

で、ある時思ったんですよ。そうだ、テーマは”美容師の可能性を広げていく”だなと。

そうすると、マインドを変えていく必要があるわけです。自分のためにやるんじゃなくて、誰かのためにというテーマが見つかった。自分のために頑張るより、誰かのために頑張る方が頑張れる。

みんなが僕のために働くんじゃなくて、僕がみんなのために働くんだ、と。

そうしたときに、自然と主語は「私」から「私たち」への変化していったんです。

もちろん、頭でわかっているのと腹落ちして行動できるのは違う。振り返れば50歳になるまでの10年はそれを身につける10年だったと思いますね。

その10年の間には、経営者の勉強会に参加したり、経営コンサルタントとしての学びや実践をしたりしました。そこでも出会いがあり、学びがあり、成長を助けられたなぁと感謝しています。

僕の好きな言葉を一つシェアします。

If you want to go fast,go alone.
If you want to go far,go together.

早く行きたければ一人で進め。
遠くまで行きたければ皆で進め。

これは先ほど言っていた経営コンサルタントとしての学びの場で出会った言葉です。

今の話からすると、私は主語を「わたしたち」にしていくことをお勧めしているのですが、実は、世の中は逆行して個人の時代になっていっているんですよね。

でもね、僕たちの歩みよりも時代が早く流れることを考えると、この先、自立した個人が強みを活かして相互に依存する状態になっていくのが理想だなって思います。

まず自立すること。それが個の尊重ということ。
でも、その先には助け合いながら達成していく、相互依存。

そのためにあなたが今日から使う主語のひとつに「私」だけではなく「わたしたち」を取り入れてみてはいかがですかって提案したいと思います。

きっと見える景色がすこし遠くまで見えるようになると思います。

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