美を扱う者の在り方について

先日、AYOMOTの内定式を行いました。
今年は4人の新しい仲間が決まり、美容師としての人生を歩み始めるその瞬間に立ち会いながら、僕は一つのテーマを彼らに伝えました。

それは、
「技術より先に、在り方を磨いてほしい」
ということです。

式の中ではまず、「真・善・美」という普遍的な価値について話しました。これは、時代や国が変わっても揺らがない“美の軸”であり、AYOMOTが長く大切にしてきた考え方です 。
• 真 … 本質を見抜く姿勢
• 善 … 人に尽くす心
• 美 … 感性と調和で心を動かす力

内定者たちと「あなたが思う美しい瞬間はどんなときか?」というテーマでディスカッションを行いました。

夕日のグラデーションやガラスの透明感、曲線のフォルムなど、様々な「美しい瞬間」が挙がりました 。その一つひとつには共通点がありました。

それは、美とは「感情を動かす力」だということです。

美容師の仕事は、髪を切ることでも、色を塗ることでもありません。
本質はその先にある、気分を変えることです。
つまり美容師とは、技術者である前に 「空気を変えられる存在」であるべきだと僕は思っています。

でも現実を見渡すと、上手い美容師は世の中にいくらでもいます。
では、なぜ一部の美容師だけが選ばれ続けるのか。

その差を決めるのは、技術ではなく理念です。
• 自分はなぜ美容師なのか
• 何のために美を扱うのか
• どんな未来をつくりたいのか

ここが言語化されている美容師は、迷わない。ブレない。折れない。
逆に理念を持たずに技術だけを積み上げても、信用は深まらない。
僕は育成の現場に長くいて、このことを痛いほど見てきました。

だからAYOMOTは在り方から育てるサロンであり続けています 。
僕たちがニューヨークでの挑戦や文化発信に力を注ぐのも、美容が世界で戦える仕事だと本気で信じているからです 。

技術はあなたの手を動かします。
でも理念は、あなたの人生を動かします。

毎日練習を重ねている美容学生のあなたに、ひとつだけ問いを届けたい。

「私は美容師として、何を成し遂げたいのか?」

この問いを持ち続けるだけで、美容師としての未来は変わります。
美を扱う者の在り方は、技術ではなく理念から始まる。
その事実を内定式を通じて改めて確信しました。

理念で立ち、技術で戦える美容師が増えたとき、美容の未来はもっと豊かで面白くなる。
その一歩を踏み出す仲間が増えることを、僕は楽しみにしています。

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