美容師という仕事を長く続けてきて強く思うのは、
「技術が上手い人」がプロなのではなく、
期待される前に準備ができる人こそ本物のプロだということです。
お客様に「どうしますか?」と聞いてから提案するのは、もう当たり前。
本当の価値は、その一歩先にある。
季節の変化、肌や髪の揺らぎ、生活リズムの忙しさ、
その人の今を察知して、必要になるものを先に差し出す。
お客様が自覚していない悩みを言葉にし、
言われる前に用意しておく。
その姿勢が信頼を生むし、ブランドをつくる。
驚かせるのではなく、
「なんでわかったの?」と言われる距離感。
それがプロの仕事だと思っています。
だからこそ、美容師としての成長は技術の上達だけでは測れない。
お客様の未来の状態まで想像できるか。
その想像力と準備力が、結果的に技術以上の価値をつくる。
とはいえ、この先回りは自然にできるものではありません。
日々のインプットや勉強、失敗からの学び、
そして新しいことに挑戦する勇気から育つ。
同じ毎日の繰り返しでは、未来の予測は磨かれない。
新しい技術、新しいジャンル、新しい働き方。
未知の領域に足を踏み入れたときに、
初めて気づく視点や発見があります。
だから僕は、スタッフにも常に伝えたい。
頼まれたことが「やったことのないこと」でも、
最初から「無理です」「やったことありません」と言い切らないでほしい。
できるか、できないかじゃなくて、
その挑戦が自分をどこへ連れていくかを考えてほしい。
挑戦すると、知識は広がり、経験値が増え、視野が拡張する。
その積み重ねがあるから、お客様が困る前に気づけるし、
先回りの提案が自然とできるようになる。
つまり、挑戦は自分のためだけじゃなく、
お客様に価値として返っていくものなんです。
美容師の仕事は「美しさ」という形のない価値を扱います。
今日の提案が、お客様の表情を変える。
今日の一言が、その人の一年を明るくすることだってある。
その価値は数字で測れないし、技術点数にも表れない。
けれど確実に、誰かの人生を照らしている。
だからこそ、僕たち自身が挑戦し続ける意味がある。
知らなかったことを知り、
できなかったことを少しずつできるようになり、
見えていなかった景色を見に行く。
その積み重ねが、
お客様の人生の節目を支える力につながる。
挑戦は怖いし、面倒に感じることもある。
でも、人を綺麗にする仕事をしている僕たちが挑戦を恐れたら、
お客様に新しい美しさを提案できるはずがない。
人生は長いようで短い。
だからこそ、
やったことのないことに、少しのワクワクを持って飛び込む勇気が必要だと思います。
その一歩が、自分を変え、
仲間を変え、
お客様の人生すら明るくするかもしれない。
期待を超えるプロであるために。
挑戦を続ける美容師であるために。
今日もまた、新しい一歩を選んでいきたい。
