最近の美容業界を見ていて、強く感じることがあります。
業務委託やフリーランス、個人事業主として働く美容師が増えました。
自分のペースで働ける。
売上がそのまま自分に返ってくる。
自由度も高い。
これは間違いなく、時代の進化だと思います。
「個」が尊重されるようになったのは、いいことです。
ただ同時に、
一つだけ心配していることがあります。
それは、
学びが引き継がれなくなること。
技術も、接客も、
お客様との関係のつくり方も、
すべてが「自分の中だけ」で完結してしまう。
誰かに教えることもなく、
誰かから学ぶこともなく、
ただ目の前の仕事を回していく。
短期的には楽かもしれない。
でも長期的に見たとき、
それは業界としては弱くなる形だと思っています。

人は、
「知っている」だけでは成長しません。
次に必要なのは、
「できるようになる」こと。
そして本当に身につくのは、
「人に教えられるようになる」ときです。
知る。
できる。
教えられる。
このプロセスを踏んだとき、
技術も、考え方も、
自分のものになります。
逆に言えば、
教える場がない人は、
どこかで成長が止まる。
同じ引き出しの中で
仕事をし続けることになる。
教育サロンの価値は、
ここにあると思っています。
うまい人を量産する場所でも、
売れる人をつくる場所でもない。
学びが循環する場所。
先輩が後輩に伝える。
後輩がまた次の世代に伝える。
その中で、
技術だけじゃなく、
姿勢や価値観も受け継がれていく。
個が強い時代だからこそ、
チームでやる意味が生まれる。
誰かに伝える前提で仕事をすると、
意識は変わります。
どうすれば伝わるか。
どうすれば再現できるか。
どうすれば理解してもらえるか。
考えるようになる。
その時点で、もう一段レベルが上がっている。
そしてそれは、
自分のためだけじゃない。
業界のためでもあります。
技術や考え方が、
点で終わるか、
線になってつながるか。
それで、
未来の美容業界の質は変わる。
これからは、
「うまい人」だけじゃなく、
「育てられる人」も
価値を持つ時代だと思っています。
自分ができる、だけじゃなく、
人をできるようにできる。
これは美容師としての
次のフェーズです。
個で稼ぐことと、
チームで育てること。
この二つは、対立しない。
むしろ、両立できたときに
美容師という仕事は、もっと強くなる。
知るだけで終わらせず、
できるようになり、
教えられるようになる。
そのプロセスを
次につないでいく。
「個の時代」だからこそ、
教育サロンが必要なんだと、
僕は思っています。

