今日は少しだけ、技術の話ではないことを話させてください。
美容師は、気づくと自分で抱え込む仕事になりがちです。
お客さんも、結果も、評価も、売上も。
全部、自分の手の中に置いておきたくなる。
それは悪いことじゃない。
むしろ、真面目で責任感がある証拠だと思っています。
ただ、あるところで成長が止まる瞬間が来る。
それは
「自分がいないと回らない状態」
を、無意識に作ってしまったとき。
実は僕自身が何度もぶつかってきた壁です。
AYOMOTを立ち上げた頃は、
誰もいなかったし、僕が前に出るしかなかった。
それでよかったと思っています。
でも、組織にはフェーズがある。
次のフェーズに進むとき、
リーダーは薄くなっていかないといけない。
前に出続けることより、
誰かが前に出られる場所をつくること。
これが、想像以上に難しい。
自分の人気を手放すこと。
自分のお客さんを誰かに託すこと。
自分がいなくても、サロンがちゃんと回ることを認めること。
正直、怖いです。
でも、不思議なことに
手放した人から、自由になっていく。

例えば、自分のお客さんを仲間に任せられると、
人生の選択肢が一気に増える。
産休や育休を取れる。
海外に行ける。
新しい挑戦ができる。
逆に、全部を自分で握り続けると、
一生、同じ場所に縛られ続ける。
これは技術の話じゃなくて、
「生き方」の話だと思っています。
最近、スタッフに
僕が経営するニューヨークのサロンの話をよくしています。
それは、海外に行くことが正解だからじゃない。
そういう選択肢が会社の中にある
ということ自体が、普通じゃない経験だから。
美容師は
気づくと「目の前のサロン」が世界のすべてになりがちです。
でも、世界はもっと広い。
美容師の可能性も、もっと広い。
そのためには、
一人で輝くスターでいるより、
次のスターを育てられる人になること。
バトンを渡せる人になること。
これからの時代、
「自分がすごい美容師」より
「人を育てられる美容師」の方が、
長く、強く、美しく生き残る。
美容学生のみなさん。
今は、がむしゃらでいい。
全部自分のものにしたくていい。
でも、いつか
「誰かに渡す」
という視点を、心の片隅に置いておいてほしい。
美容師のみなさん。
もし今、少し息苦しさを感じているなら、
それは手放すタイミングかもしれない。
自分の価値は、
抱え込むことで証明しなくていい。
育てることで、広がっていく。
美容師という仕事は、
ハサミだけじゃなく、
人の人生に触れる仕事です。
だからこそ、
自分の人生も、ちゃんと自由であってほしい。
今日の話が、
あなたの未来を少しだけ軽くする
きっかけになったら嬉しいです。

