一つの基本を、大切にするということ

—クラシック・モダン・ポストモダンの先にある美意識—

最近、クリエイティブの話をしていて、
あらためて思うことがあります。

結局、最後にものを言うのって、
やっぱり「基本」なんですよね。

デザインも、ヘアも、表現も。
新しい技法や面白いアイデアはいくらでもあるし、
情報や刺激も、今は簡単に手に入る。

それ自体は悪いことではないし、
むしろ恵まれている時代だと思います。

でも、それをどれだけ積み重ねても、
ベースが曖昧なままだと、
どこかで必ず崩れるな、とも感じています。

派手な表現の前に、
まず「軸」があるかどうか。

何を美しいと感じるのか。
どこに違和感を覚えるのか。

そこが定まっていないと、
表現ってどうしても借り物になりやすい。

新美容出版の元編集長である五十嵐さんの著書
『美意識の芽』という本の中で、
とても印象に残っている考え方があります。

それが、
クラシック → モダン → ポストモダン
という、美意識の流れです。

クラシックは、秩序や完成度。
モダンは、それを理解した上での更新。
ポストモダンは、意味や文脈そのものを問い直す視点。

この順番を飛ばしてしまうと、
表現は一気に軽くなる。

崩しているつもりでも、実は「崩せていない」
それっぽいけれど、
なぜ成立しているのか説明できない。

逆に、クラシックを知り、
モダンを通過し、
その上でポストモダンに立てたとき。

ほんの少しのズレや引き算だけで、
ちゃんとした違和感が生まれる。

これは、すごく大事なところだと思っています。

「一つの基本を大切にする」というのは、
技術を一つ極める、という話だけではありません。

もっと手前の、
「どう見るか」
「何を基準にするか」
という話です。

同じ写真を見ても、
強く惹かれる人もいれば、
何も感じない人もいる。

その差は
センスがあるかどうか、というよりも、
どれだけ見方を身体に持っているか、
その違いだったりします。

クリエイティブは足すことよりも、
選ぶことの方が難しいですよね。

色を増やすより、減らす。
形を足すより、削る。

その判断ができるのは、
基準が身体に染み込んでいる人だけ。

美容師の仕事も同じだと思っています。
デザインは、奇抜さではないですよね。

その人の輪郭や、空気や、背景。
それらをどう整理するか。

基本があると、
派手にしなくても「強さ」は出せる。

最近は、新しいものを増やすよりも、
何度も見返しているものの方が多くなりました。

昔の写真。
古い雑誌。
変わらない構図。
変わらない美しさ。

そこに、今の自分を重ねて見る。

一つの基本を大切にすることは、
成長が遅くなることでも、
保守的になることでもない。

遠回りに見えて、
実は一番自由になる近道だったりします。

美意識は、派手には育たない。
静かに、でも確実に、積み重なっていく。

だから今日も、
ベースを確認するように、
ちゃんと「見る」ことを続けていきたいなと思います。

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